ギャル「…私が好きなの？」オタク「ｱ…ｱ、ﾊｲ」

まさか話を考えながら書いてんのか

後輩「……ダメ、ですかあ。私、魅力ありませんもんね…」
後輩「２０にもなってサブカルばっかだし、子供みたいな見た目だってよく言われますし…」ｼｭﾝ
オタク「そんなことないけど…」

後輩「……ね、ね、先輩、その人のこと教えてくださいよ！」
後輩「先輩の恋話聞きたいなあ！」

オタク「う、うん…」

後輩「……」ｼﾞｯ…

オタク「四ヵ月くらい前のことなんだけど…」

なんかこういうの懐かしい

ギャル「……」ｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁ
ギャル「……」ｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁ
ギャル「…あ、既読ついた」

ギャル（ぜんぜん返ってこないや…）
ギャル（既読無視苦手だって言ってからずっと守ってくれてたのに）

ギャル（やっぱり飲み会のとき何かあったのかな）
ギャル（オタク君、もう私のこと、好きじゃないのかな）

ギャル（十回以上デートしたのに…）ｶﾁ
ギャル（毎日通話してたのに…）ｶﾁｶﾁ
ギャル（服も私が選んであげて…美容院選びや髪型も私が相談に乗ったのに…）ｶﾁｶﾁｶﾁ
ギャル（ダイエットだって、私が記録取って、アドバイスしてあげて、全部私がやってあげたのに）ｶﾁｶﾁｶﾁｶﾁ

オタク「後輩さん、Ａブロ回って十字切ろう。フェイントでデコイ猫飛ばすから、それが合図ね」
後輩『了解です！』

オタク（ペイントゥーンは異能力が飽和して秩序が崩れた近未来世界…）
オタク（異能者の子供が集まって結成したカラーギャングが、自分達の権威性を示すためにフィールドを自軍の色で塗る陣取りをゲームを始めた…という設定のＦＰＳだ）

後輩『先輩、普段の五倍くらい喋ってますよ笑』
オタク「久々のゲームだったから、ドーパミン出ちゃって…」
オタク「気持ち悪かったらごめんね」

後輩『いえ、滅茶苦茶楽しいです！　普段もこれくらい喋った方がぜったいモテますよ！』
オタク「アハハ…」
後輩『でもそうなると困っちゃうんで、私だけが知ってればいいです！』

ちいかわじゃん

オタク『ごめん友達に誘われてゲーム復帰して忙しくて』
ギャル『なんか歯切れ悪いよね。隠し事してない？』

オタク「……」

ギャル『責めてるわけじゃないけど』
ギャル『別に隠す必要あることないじゃん？』
ギャル『（削除したメッセージです）』
ギャル『ごめんヘンな感じだったよね。文章だと誤解生んじゃうんだよねよく』
ギャル『明日でもいいから通話しようよ』

オタク（中途半端に隠し事したせいで気まずくなっちゃったな…）
オタク（正直に言えばよかった）

オタク（明日もゲーム誘われてるけど、どう返そう…）

後輩『せんぱーい！　マッチ始まりますよー！』
オタク「う、うん、ごめん！」

オタク「……ってことがあって」
オタク「そういう感じで…俺にとって凄く大切な人で…」

後輩「オタク先輩、酔ってるのをいいことに、失礼承知で言わせてもらいます」

オタク「うん？」
後輩「その女から離れた方がいいですよ」
オタク「あ、えっ…？」
オタク「なんで…」

後輩「いや、おかしいですよその人」

o

後輩「今日…本当、ありがとうございました」ｸﾞｽｯ

オタク「……」

ギャル『勇気出して告白してくれたんだろうし』
ギャル『なんも知らないのに振るのも可哀想かなって』

後輩「あの、それじゃ…」

オタク「待って」
オタク「やっぱり一緒に飲みに行こうか。後輩さんの好きなバー、入ってみたいな」ﾆｺｯ

後輩「オタク先輩…！」

後輩「今日…本当、ありがとうございました」ｸﾞｽｯ

オタク「……」

ギャル『勇気出して告白してくれたんだろうし』
ギャル『なんも知らないのに振るのも可哀想かなって』

後輩「あの、それじゃ…」

オタク「待って」
オタク「やっぱり一緒に飲みに行こうか。後輩さんの好きなバー、入ってみたいな」ﾆｺｯ

後輩「オタク先輩…！」

ちいかわじゃん

ギャル「ラインもうちょっと早く返してね…既読無視されるとイラっとするから返せないなら既読つけないでねっと…」ｶﾁｬｶﾁｬ
ギャル姉「新しい彼氏？」
ギャル「いや、告白してきた子」
ギャル姉「あらあら」
ギャル「なんか可哀想だから教育してる」
ギャル姉「あらあら…」

ギャル「このままだったらあの人一生ひとりだろうし」
ギャル姉「昔からギャルちゃん、小汚い捨て犬とか拾ってくるわよね」

ギャル「お店、焼肉だったんだ」
オタク「ｱ！」

ギャル「格安じゃないけど、コスパ主義で市場拡大した大手チェーンかあ…」
ギャル「初デートはもうちょっとお洒落なところがいいかも」
オタク「ｱ…」

ギャル「あと焼肉の気分の日ってそう多くないし、匂いつくし、早めに教えてほしかったかな」
オタク「ｱ…」
ギャル「……」
ギャル「でもよく頑張ったね」ﾖｼﾖｼ
オタク「ｱｯ！」ﾊﾟｧｯ

『昔からギャルちゃん、小汚い捨て犬とか拾ってくるわよね』

ギャル「……」
ギャル（オタク君、確かにコギーに似てるなあ）

ギャルちゃんは普通にいい子
後輩ちゃんは必死なだけで悪い子じゃない
リア充はちょっとお節介なだけでいい奴
リア充友はいつも通り接してるだけで嫌なヤツではあるけど悪人ではない
友はガチで友
オタクは選択肢を間違える前の俺

ギャル「別に好意っていうか、あんまり惨めだったからっていうか」
ギャル「それって病人とかお爺ちゃんとかに介護する感じっていうか…」

オタク「ｱｯ…」

ギャル「そもそも私オタク君のこと知らないし、オタク君も私のこと知らないよね」
オタク「ｱ、ｱｱ…」
ギャル「手当たり次第やってるのか知んないけど、そういうのってなんか失礼だと思うし、何回告白しても意味ないと思うよ」
オタク「ｱ、ｱｱ、ｱｱｱ…」ｼﾞﾜｯ

ギャル「ご、ごめんって…言い過ぎたかも」

後輩「私もゲームとか、ペイントゥーンすごい好きで…！」
後輩「今度近くの駅でペイントゥーンのイベントがあって…もしよかったら一緒に…！」

オタク「…最近、全然ペイントゥーンやってないんだ」
後輩「あれ、そうなんですか…？」
後輩「飽きちゃったとか…？」

オタク「ちょっと忙しくて…」
オタク「それと…えっと、今仲良くしてる女友達がいて…」
オタク「二人であんまり出かけるの…よくないかなって…」

後輩「…そうですか」
後輩「え、あ、いや、でも…ただの女友達なんですよね？」

後輩「それで束縛するのってちょっとおかしくないですか？」

これオタクと言うよりハッタショだろ

ﾋﾟﾛﾘﾝ
ギャル「あっ…オタク君からだ」
ギャル「ふふっ！」

ギャル姉「楽しそうね、彼氏君？」
ギャル「そういうのじゃないけど…」
ギャル姉「コギー君？」
ギャル「その呼び方やめて」

ギャル（オタク君、まめに構ってくれるし、なんでも新鮮に反応してくれるし楽しいなあ）
ギャル（最近服装も喋り方もちょっとだけマシになってきたし…）

ギャル（……前の彼氏は、ぜんぜん連絡返してくれなかったなあ）

ギャル姉「あらあら」ﾆｺﾆｺ

オタク「……」
後輩「乗り換えまで見送ってくれるなんて、先輩優しいです」
後輩「明日から、その人と通話してる時間、全部私とペイントゥーンですからね」
オタク「う、うん…」
オタク「でも腕鈍ってるかも」
後輩「いいんすよ、じゃあ私のこと頼りにしててください」ﾎﾟﾌｯ

ｶﾞﾀﾝｺﾞﾄﾝ

後輩（あなたが悪いんですよ）
後輩（人の気持ち弄んで踏み躙って、自分のいいように使ってるから…）

後輩（だから、私みたいなつまらない女に横取りされるんですよ）

後輩（忘れちゃダメじゃないですか、先輩）
後輩（女の子って男の人が思ってるよりすっごい寂しがりやで、すっごい狡猾なんですからね）

後輩「告白した弱みに付け込んで、四ヵ月近くキープされて」
後輩「毎日電話させられて、連絡遅かったらすぐ愚痴返してくるんすよね」
後輩「で、その人、別に先輩のこと好きじゃないんでしょ？」

オタク「……まあ、うん」
オタク「俺はこんなだし…」
後輩「いや普通にそいつ死ぬほどイヤな女じゃないですか」
後輩「都合のいい男って奴ですよ」
後輩「どう考えても先輩のことなんとも思ってませんよその人」
オタク「……」

リア充「よっ、オタク君」
オタク「あ…リア充君」ﾍﾟｺｯ

リア充「ほらちょっとだけ垢抜けてんじゃんｗこれ俺の罰ゲームのお陰でしょｗ」
リア充友「案外なんとかなるもんだなｗ」
オタク「あはは…」

リア充「実はお前にめっちゃいい話があんのよ」
オタク「うん？」

与えられるものに人がいかに鈍感に、そして貪欲になるかだよな
ギャルちゃんめっちゃかわいいわ

友「オタク氏、痩せましたかな？　身なりも小綺麗になって…」
オタク「ああ」
友「女の影ができた、という奴ですな…このリア充めい！」ｸｩｰ
オタク「……」ﾆｺｯ

友「昔より活舌もよくなりましたな」
オタク「電話…」
友「ほうほう、最近よく長電話をなさるから、喋る機会が増えて改善されたと」
オタク「……」ﾆｺｯ

友「そろそろ、付き合ってたり…？」
オタク「…ああ、いや」
友「えっ、そういう感じではない、と…」
オタク「ああ…」ｼｭﾝ
友「せっ、拙者はそうは思いませんぞ！」

オタク「……」ﾆｺ
友「オタク氏…」

ちいかわ

ボーイズオンザラン見てる感じで辛い

>>47
わろあ

ギャル『合コン？　オタク君めっちゃ成長したじゃん笑笑』
ギャル「…このメッセージ、なんだか嫌味みたいかな」
ギャル「取り消しておこうかな」
ギャル「『何時に家帰るの〜？』…返信ないのにヘンかあ」

ギャル（用事ある度にあれこれ聞かれたら面倒っていうか、オタク君も重いよね）
ギャル（……）
ギャル（重いってなんだろ…？）

『ギャルちゃんとは疲れるっていうか、合わないや。ちょっと重いよね』

ギャル「……」

>>3
いやデートもしないで告白するやつが頭おかしい

後輩「先輩、クールだし、顔も格好いいし…！」
リア充友「趣味悪いよ〜後輩ちゃんｗ根暗なだけじゃんｗｗｗ」
リア充友「それにこいつ、ちょっと前までスゲーデブでｗｗｗ」

オタク「…別に、俺は格好よくないよ」

後輩「そんなことありません！」ﾊﾞﾝｯ
リア充友「急にキレるなよ、おもろｗｗｗ」

リア充「お前、ちょっとは空気読めよ、な？」ｶﾞｯ
リア充友「あ、いや、別に…場を盛り上げようと…」

リア充「なんか今日めっちゃお前つまんねえじゃん。トイレ行って来い、酔ってんだろ」
リア充「俺ここ座るから、お前代わりの卓入っていいぞ」
リア充友「あ…ああ…」

リア充「ごめんなぁ、オタク君」ﾆｺﾆｺ
オタク「…い、いや」